藤橋城、である。西美濃の最奥、山々が連なる山村にそびえるこの城を戦国スポットと言って良いものか迷うところであるが、城と名がつく上にこんな立派な天守があるからにはとりあえず紹介しておく。
かといってまったく由来もへったくれもないかというとそういうわけでもないらしく、かつて南北朝時代に南朝方の杉原砦がこの近辺にあったという。確かに現在でも福井県へ抜ける国道が近くを通っており、古来より美濃・越前間の往来があった場所であるだけに、そういった軍事的施設がまったくなかったわけではないだろう。それにこのこの地の住人・杉原氏から豊臣秀吉の正室であるねねが出ており、また同族の杉原家次は太閤秀吉に仕えて丹波福知山城主にまでなっている。
さてこの藤橋城だが、いかにもな模擬天守の中はプラネタリウムとなっており、ここから更に奥の徳山ダムとあわせて観光スポットとして期待されているようである。城内プラネタリウムの上には申し訳程度に甲冑などが展示されている。
だが外観は城、中はプラネタリウムというギャップのせいでいわゆるB級スポットの域を出ないのは確かである。
ただ、すぐ傍には斎藤勢に攻められた折、城主杉原家盛を落ち延びさせるために犠牲となった7人の武士たちを偲び七人塚なるものが残っている。個人的にはこちらの方が興味深かった。
プラネタリウムもいいが、山々に囲まれたこの地は星空が非常に綺麗らしいので、夏休みにキャンプがてら訪れてみてはいかがだろうか。
藤橋城外観。 まるでプラモデルのような印象。 |
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個人的に気になった七人塚。 藤橋城傍の神社にある。 注意しないと見落としそうな大きさ。 |
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七人塚の説明版。 のっけから風聞と書いてあるあたりが 非常に好感が持てる。 |
所在地:岐阜県揖斐郡揖斐川町鶴見332番地1
TEL:0585-52-2611
URL:http://www.town.ibigawa.gifu.jp/kankoujyouhou/experience/fujihasijyo.html
開館時間:午前10時〜午後4時30分
休館日:月曜日、火曜日(冬季休業期間あり)
入場料:大人500円、小中学生250円、幼児100円
最寄り駅:なし
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