国友鉄砲の里資料館


 長浜市の国友一帯は、古来より鍛冶の街として栄えてきた。しかし16世紀中期に種子島に鉄砲が伝来し、当時日本中に割拠していた戦国大名たちがその威力に気づき始めると、彼らは有能な鍛冶職人たちにその生産を命じた。特に信長は鉄砲の威力をいち早く見抜き、長篠合戦においてその効果を最大限に発揮する。今も多くの鍛冶屋や銃砲店の並ぶ国友は、日本の合戦のあり方を変えるまでに至った鉄砲の一大生産地として全国に名を馳せ、時代の権力者たちによって庇護されてきた。
 そんな国友の文化と鉄砲の歴史を紹介するのがこの資料館である。火縄銃を作る工程やその過程における苦労や工夫、技術などをわかりやすく説明している。個人的におおっ、と思ったのは実際に火縄銃を手にとって見ることができたことである。もちろん撃つことはできないが、そのずしりとした重みにちょっと感動した。他にも各種火縄銃や国産望遠鏡の発明などが展示されている。
 俺がここを訪ねたのは真冬の平日の真昼間。駐車場では下校途中の地元の小学生が遊んでいた。当然来館者は俺一人だけだったが職員の方が丁寧に対応してくださり、一人だけのためにわざわざ大型スクリーンで解説ビデオを上映してくださった。そのビデオに出てくるキャラクター、くにこちゃんが曲者であった。なぜかUFOと思しき乗り物で飛来し、ビデオ冒頭で「国友の過去・現在・未来を紹介します」と言っていろいろ紹介してくれるのだが、最後に「未来のことは言わないでおきます」という非常に気になるセリフを残して飛び去ってしまうのである。思わず一人なのにツッコんでしまいそうになっているうちにビデオは終了。いろんな意味でとても気になるキャラクターであった。気になった方はぜひ現地で確認されることをお勧めする。
 ともあれ、くにこちゃんにしろ前述の触れることのできる火縄銃にしろ、とても興味深く勉強になる施設である。長浜城や姉川なども近いので、そのついでに行ってみることをお勧めする。

INFO

所在地:滋賀県長浜市国友町534番地
TEL:0749-62-1250
URL:http://www.kunitomo-teppo.jp/
開館時間:9時〜17時
休館日:12月28日〜1月3日を除き年中無休
入場料:一般300円 小・中学生150円
最寄り駅:JR北陸本線 長浜駅または虎姫駅 (両駅から3km以上離れているので徒歩ではお勧めしません)


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